三菱自動車工業は、2018年10月に愛知・岡崎の新R&Dオフィスビルを建設、
続いて2019年1月には東京・田町の本社を新社屋に移転しました。
社内システムの導入や運営を担う同社のグローバルIT本部では、
2つの新社屋のオフィス利用を管理する「インフラナビゲーション」の導入を計画。
アツラエ(旧ジェナ。以下同意)は、システムの開発を担った株式会社内田洋行と連携しながら、システム全体のUI/UXデザインを担当しました。
社員の働き方まで変える、
社内システムのUI/UXデザイン三菱自動車工業株式会社 様、
株式会社アツラエ
会議室予約の無駄をなくし、オフィス内の
働き方改革を。
様々な機能を搭載するインフラナビゲーションの導入にあたって、重点的に検討された機能のひとつが「会議室予約システム」でした。同社では、会議室の予約に手間がかかる上に、数週間前から予約されていた会議室が実際には使われずに空室になっていることもあるなど、予約効率の改善が課題になっていました。また、既存の会議室予約システムはあったものの、使い勝手に難があり、部屋の大きさや設備もイメージしにくいといった問題もありました。新社屋に設置される会議室の数は、岡崎・田町ともに約80室。同社における働き方改革のひとつとして、オフィス内の快適性が重要なテーマになっていたこともあり、会議室予約の無駄をなくす取り組みが本格化しました。
「圧倒的にスピーディーで、使い勝手の良いシステムを作ってほしい」。アツラエに求められたのは、新入社員でもマニュアルを見ずに予約できるような分かりやすさ、そして誰もが直感的に扱える操作性。システムとインターフェイスの両面において、徹底したユーザビリティが求められるプロジェクトでした。
利用シーンに応じた
機能設計とビジュアルデザイン。
大小さまざまな約80の会議室のちがいや利用状況をどのように可視化し、そしていかに簡単に予約できるようにするか。私たちは、UI/UXの重要性を伝えるとともに、システム設計の段階からUI/UXの視点で全体をデザインすることを提案しました。今回のインフラナビゲーションでは、PCやスマートフォン、タブレット、社内サイネージなど、複数のデバイスでの利用が計画されていたため、デバイスの特性や利用シーンに合わせてそれぞれの役割を定義し、デバイスごとに画面構成やレイアウトを設計、提案しています。
また、視覚的なデザインだけでなく、ユーザーの会議室利用ニーズに合わせた検索機能も追求。利用する日時や人数での空き状況はもちろん、来客用なのか社内用といった用途条件や、テレビ会議や電話会議などの設備の有無など、利用目的に合った会議室をすばやく見つけられる検索システムをデザインしています。
画面の基本設計では、会議室の位置や大きさが一目で分かるフロア全体の俯瞰図をメインビジュアルに、画面の左側に検索エリアを設置。デザインによって可能な限り情報を視覚化して直感的な操作を実現するとともに、ユーザーの利用シーンをひとつひとつ掘り下げることで、より具体的で精度の高い機能の開発を目指しました。
デザインの力で、会議室の予約フローを一新。
誰でも手軽にスピーディーに操作できるUIによって、これまでの会議室予約が劇的に変化しました。PCでは細かな条件設定によって希望通りの会議室が見つけやすくなり、同時にスマートフォンでは、その場ですぐに予約やキャンセルがしやすくなるなど、デバイスごとの役割を明確にすることで、スムーズで効率的な予約を実現しました。さらに、私たちが最も強くこだわったのが、見た目のデザイン性。ユーザーが使いたくなるワクワクするようなデザインでなければ、結局は使われないものになってしまう。「デザインも機能のひとつである」という考えのもと、たとえ社内のインフラであっても高いデザイン性を追求し、同社のデザイン部門と連携して三菱自動車のブランドイメージを踏襲したデザインを構築しました。それと同時に、デザイン性と使いやすさの両立を目指し、会議室の利用状況を色分けしたり、色の濃淡によってタップする箇所をわかりやすくするなど、デザインによって可能な限り情報を視覚化することで、フロアごとの稼働状況が視覚的かつリアルタイムに把握できるようになりました。細部のUI/UXにもこだわり、会議の終了5分前に案内の音声が流れるなど、会議室の予約だけでなく、効率的な運用をサポートするシステムとして、お客様から高い評価をいただきました。
三菱自動車工業様からアツラエへのお声
グローバルIT本部 システム基盤部
部長 弥田 昌希 様 ・
主任 石井 真理子 様 ・ 主任 桑島 勇気 様
使いやすさを叶えてくれた、
“根拠のあるデザイン”。
今回は、使いやすさはもちろんのこと、デザイン面でも非常に質の高い仕事をしていただき、当初の期待以上に満足のいくものができました。本当に使いやすいUI/UXとは、どのようなものなのか。我々には未知の領域でしたが、アツラエのデザイナーさんとディスカッションをしながら、一緒にイメージを作り上げていくことができました。なぜこの形なのか、なぜこの色なのか、なぜこの位置なのか。直感的に操作できる快適さの裏にはきちんと理由があり、とてもロジカルにデザインをしているのが印象的でした。コーポレートブランドを管理する岡崎のデザイン部門にも同行いただき、デザインの意図をひとつひとつ丁寧に説明をしていただいたことは、我々が感銘を受けた部分でもあります。また、デザインの提案時には、つねに複数のパターンを用意してくれて、私たちもいくつかの案を見比べながら意思決定できたので、ひとつひとつ納得して進めることができました。
おかげさまで、運用開始後は社内でも非常に好評で、インフラナビ全体でのアンケート結果ではありますが、好意的な評価が9割を超えました。もちろん、そこにアツラエさんのUI/UXのデザインが大きく貢献していただいていることは間違いありません。