独自開発の細胞培養技術を基盤として、食料問題や環境問題の解決に貢献するインテグリカルチャー株式会社。同社が主体となり、2024年2月、オープンイノベーションで作り上げた家きん(アヒル)由来の細胞培養食品の社会受容と社会実装を実現するため、各界の高い技術力を有する企業とアカデミアによって「クラフトエッセン協議会」を設立。
アツラエでは、クラフトエッセンのロゴマークおよびオウンドメディアサイトのデザイン制作を支援させていただきました。
「細胞培養食品」をいかに親しみやすく伝えるか。
細胞培養食品自体がまだ当たり前ではない今、言葉だけを聞くと、ほとんどの方が「難しそう」「堅そう」「専門的な知識が必要そう」などといった印象を持たれることが多いと思います。
ロゴマークとオウンドメディアのデザインを行う上で、大きなテーマは2つ。
クラフトエッセン協議会の有意義な活動を世の中に幅広く伝えること。
そして、「細胞培養」という言葉から受ける堅く難しそうな印象を、いかにデザインの力で和らげ、親しみを持ってもらうようにするか、ということでした。

テーマが明確だったためコミュニケーションもスムーズに。
通常、新規サービスの立ち上げを支援させていただく際、課題の抽出やターゲット設定など、コンセプトの部分に多くの時間をかけることが多いですが、インテグリカルチャー様は、前述の通り、当初から解決すべき課題を明確にお持ちでした。 そのため、初回の打ち合わせ中にインテグリカルチャー様とアツラエの間で、課題の解決策 = デザインの方向性のイメージが概ね合致しました。 まずはロゴデザインの制作からスタートしましたが、「安全性」や「誠実さ」、「最先端」などのキーワードを初回の打ち合わせの中で抽出し、3つの案を初回のデザイン案としてご提案する流れとなりました。
全く違う方向性のデザイン案を制作
アツラエでは、ロゴデザインに関わらず、初回のデザインをご提案する際、様々な視点でご検討いただけるよう、デザインの方向性が全く異なるパターンをご提案させていただきます。 今回も3つのコンセプトを策定し、それぞれをロゴマークとして表現した案を作成しました。 最終的には、大きなテーマである「親しみやすさ」とその裏付けとなる「安全性」をコンセプトにした案が採択されましたが、初回の打ち合わせで両社の意思疎通ができていたことから、デザインを検討するプロセスもスムーズに進行しました。

最終的に採択されたデザイン案

初回にご提案したデザイン案
まずは、お客様の「想い」を傾聴する。
ロゴデザインが決まり、オウンドメディアサイトのデザインに取り掛かりましたが、ロゴデザインで採択いただいたコンセプトをそのまま踏襲することができました。 そのため、デザインの制作からインテグリカルチャー様にデザインをご確認いただく際も、ロゴデザインと同様にスムーズに決裁をいただきました。

本プロジェクトを振り返り、アツラエでも、初回の打ち合わせでお客様の「想い」を傾聴することが、何より重要であることを再認識したプロジェクトでした。 お客様の想いを聞き、こちらの意見をぶつけてみる。 それがマッチすることもありますが、そうでない場合はお互いに納得するまで対話をしてみる。 デジタル領域のデザインに特化したアツラエは、そういったお客様との「対話」、いわばアナログ的な方法をとても大切にしています。
