conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

世界にまだない新サービスを
デザインする。株式会社ニチレイ 様、
株式会社アツラエ

conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

AIを活用して、
ニチレイと生活者をつなぐサービスを

戦後間もない頃から日本の食卓を支え、広く世の中においしさを届けてきたニチレイ。一般的には冷凍食品のイメージが強いものの、水産や畜産、物流など、B to Bビジネスの割合が大きく、じつは消費者と直接つながる接点が少ないという課題を抱えていました。テクノロジーの進化やライフスタイルの多様化など、食を取り巻く環境が変化する中で、この課題をどう解決し、いかに新しい価値を生み出していくか。ニチレイはこの課題に取り組む事業開発プロジェクトを立ち上げ、AIを活用して一人ひとりの好みに合わせておいしさを届ける「食のパーソナライズ化」という考えに辿りつきました。そして、北海道大学情報科学研究院の川村秀憲教授をアドバイザーに迎えユーザーの食の嗜好やその時の気分を分析し、個々の好みに合わせた献立を提案するAIエンジンを開発。この技術を活用したサービスを開発することで、消費者との接点を作ることを目指しました。
サービス開発にあたってはスマホアプリでの提供を想定し、アツラエはアプリ開発チームとしてアサインされました。しかし、ニチレイにはアプリ開発やアプリを起点としたサービス開発の経験がなかったことから、サービスデザインも手がけるアツラエが、アプリ開発だけでなくサービスそのもののデザインから支援することになりました。そこで、新サービスが目指すべき価値や機能を明確にするために3日間のワークショップを企画。食の新たな可能性を探るサービス開発プロジェクトが動き出しました。

conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

サービスの目指すべき姿を
描き出すワークショップ。

ワークショップの目的は、「ニチレイとして、どんなサービスを作るのか」を明確にすること。ワークショップに先立って、アツラエは、AIを軸に多機能なアプリを構想していたニチレイに対し、シンプルに機能を絞り、その機能を高めることで他と差別化することを提案。AI に「+αの価値」を組み合わせることをサービスの方向性として示しました。
その「+αの価値」をどう抽出し、サービスをデザインするか。ワークショップでは3チームを編成し、1日目は、ターゲットとなるユーザーの課題を深掘りしながらペルソナを設定。2日目は、ペルソナの課題をどう解決するか、具体的なアイディアを出しながら、独自性やニチレイとしてサービス化する価値を検証し、候補となるアイディアを取捨選択。3日目には、チームごとにまとめた案をプレゼンし、最終的に形にすべきサービスを議論しました。アツラエのワークショップが目指すのは、「お客様と共に良質なサービスを考える」こと。セッションの設計から当日のファシリテーションに至るまで、全ての工程において、アツラエ内のデザイナーやプランナーもワークに参加し、議論の内容がイメージしづらいときには、デザイナーが図や参考となるデザインを用いて議論のポイントを可視化しながら、意見の整理・集約を図りました。

conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

他と一線を画すための価値が
明確に。

3日間のワークショップを経て、新しいサービスが目指すべき「+αの価値」が明確になりました。「conomeal kitchen(このみる きっちん)」と名づけられた新サービスは、AIを駆使しながら、忙しい共働きの子育て世代のために「作り置きを活用して、効率的に日々の夕飯が作れる」をコンセプトとして定義。ペルソナを深掘りし、本当に必要な機能が絞られたことで、AIの特長とユーザーのニーズがマッチした独自性のあるサービスが浮かび上がりました。
アツラエでは、このコンセプトをもとに、conomeal kitchenのアプリ開発に向けたUI/UXのデザインに着手。複雑になりがちな献立の構成や調理の手順をいかに分かりやすくデザインするか。日によって食べたいものの気分が変わった場合に、作り置きした食材をアレンジできるような自由度のあるシステムを設計し、さらに、調理のモチベーションを高める工夫を加えるなど、定められたコンセプトを軸に付加価値となるアイディアも生まれ、実開発に向けて質の高いアプリの土台を築くことができました。

Voice
ニチレイ様からアツラエへのお声
株式会社ニチレイ 
技術戦略企画部 事業開発グループ
アシスタントリーダー 関屋 英理子 様

納得できるまで一緒に考えてくれる、
かつてないワークショップでした。

私はこれまで数多くのワークショップを経験しましたが、アツラエさんとのワークショップが、最も納得できて最も充実した3日間となりました。誰も傍観者になることなく、アツラエさんも含めた参加者全員がニチレイとして作るべきサービスを議論できたのも良かったですし、特に素晴らしかったのは、アツラエのデザイナーさんが、私たちがうまく表現できないことを、ビジュアルや文章で可視化しながら進めてくれたこと。これから何を生み出していくのか、相当悩みながら議論を重ねましたが、その都度議論の状況や意見の分布を分かりやすく示してくださったおかげで、全体を俯瞰し、考えを整理、共有しながらサービスのビジョンを描くことができました。デザインの力を駆使したファシリテーションは、間違いなく議論の質を高めてくれた大きな要因でしたね。また、そのまとめ方も決して結論ありきの恣意的なものではなく、終始フラットな視点でニチレイにとってベストな答えを探る場となりました。3日目にはチームごとのプレゼンが行われましたが、考えたことを分かりやすく説明しようとする過程で、アイディアがさらに研ぎ澄まされ、構想がさらに一段深いものになったと思います。
今回のワークショップを通じて、実際にモノづくりをする人と一緒に考えることの大切さを感じました。アツラエさんには、サービスデザインの次のアプリ開発もお願いしていますが、サービスの根幹を共有しながら、実際にそれをどう作っていくかをイメージして議論できるので、私には決して気付けないことに気付いてもらえ、結果的に、A I技術にさらなる付加価値が加わった他にはないサービスを開発することができました。

ParK CINEMA 1000

「ParK CINEMA 1000」のWebサービス・管理システムの開発を行いました。